本当のシアワセとは? ある病室での話

昔、まだ結核が不治の病のころ、 

余命あと少しと宣告された患者さんばかりが 

入院している病棟があって 

その病室には7人の患者さんがいました。 

 

細長い病室に
ベッドが
1列に並んでいて  

窓は小さいのが
部屋の一番奥に
一つだけありました。

 

みんな寝たきりの
患者さんばかりだったので、
 

一番奥の窓際のベッドのジョージだけが 

窓の外の景色を見ることができたんです。 

 

 

ジョージは毎日毎日、窓の外の様子を、 

同じ部屋の人たちに聞かせてあげていました。 

 

 

「今日は
とってもお天気がよくて、
たくさんのひまわりが
キレイに咲いてるよ」
 

 

「あ、子供達が
遊んでるよ。
かくれんぼかなぁ、
かわいいなぁ。」
 

 

同じ病室のほかの患者さんも、 

苦しい闘病生活の中で、 

ジョージが話してくれる
外の景色の話が唯一の楽しみになっていました。
 

 

ところがある日

突然ジョージが
何も教えてくれなくなったんです。
 

 

ジョージの病気が進行し、

息をするのがやっとの状態 

 

そして、ついに 

ジョージはその晩
亡くなってしまいました。
 

 

同じ病室にジョンという患者がいて 

ジョンは、ジョージばかりが

外の風景を独り占めしていることを 

面白くないと思っていたんです。 

 

そこで、ジョージが亡くなった後、 

ジョンは看護婦さんに、

 

すかさず 

 

自分を窓際にあるベッドに

変えてくれるよう頼みこみます。 

 

看護婦さんは困った顔をして

最初は渋っていましたが 

 

ジョンがあまりにしつこいので、 

 

とうとう承諾して
ジョンを窓側のベッドへ
 

 

移動させたのです。 

 

 

ジョンは大喜び 

 

 

でも病気で

心がすさんでいたジョン 

 

「俺はジョージのように、みんなに
外の様子を聞かせることなんかしないゾ。
 

 一人で外の景色を独占して楽しむんだ。」 

 

そしてついに
窓際のベッドに移ったジョン

 

期待に胸を膨らませて、
窓の外を見ると・・・
 

 

 

ジョンは、愕然とします。 

 

 

そこにはキレイなひまわりも、 

かわいい子供達も、 

何にもなかったんです。 

 

見えるのは、

隣のビルの灰色の屋上だけ 。。。。

 

ジョンは、
その時すべてを悟ります。
 

 

 

ジョージは
同じ病室のみんなを少しでも喜ばせようと、
 

見えもしないたのしげな風景を 

一生懸命自分で作って話していたのだ 

 

 

 

ジョンは、初めて

ジョージのために涙を流しました。。。。 

 

 

そして、それ以降・・・・ 

ジョンも、ジョージ以上に、 

窓の外の素敵な景色を、 

みんなにたくさん、

聞かせてあげました。。。 

 

『おーい みんな~

今日は花屋さんの車が通ってるぞ

車の中はキレイな花でいっぱいだ~

きっと、ステキな
香りがするんだろうなぁ』

 

 

『今日の空は真っ青だ~

白い雲がゆっくりと流れていくぞ

ソフトクリームの
ようにやわらかい雲だ

美味しそうだなぁ~』

 

さて、みなさん
本当のしあわせとは何でしょうか?


それは 与えること


みなさんは、

誰に窓の外のお話を
聞かせてあげますか?

 

 

 

 

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